初めまして。こんにちは。梶本と申します。
湘南エリアにある寒川という町で『パンドラのはこ』という名前の、ハンドメイドのお店を展開しています。
私はパンドラを経営している立場上、ハンドメイド作家さんから沢山の質問を頂きます。
中でも多いのが「作品が売れるために何をしたらいいのか分からない」という質問。
実は、作品を売れるようにしていくには、クオリティを上げる、見せ方を工夫するといったこと以上に大切なことがあります。
残念ながら、大半のハンドメイド作家さんはこの「大切なこと」に気づいていません。
今回は、ハンドメイド作家さんが見落としがちな管理について記事を残したいと思います。
目次
売れないハンドメイド徹底改善!~売れるために大切な7つの管理~
①目標管理
あなたは、作品を販売しようとするときに具体的な目標設定をしていますか?
「売れるために何をしていいか分からない」と言う人ほど、具体的な売上げ目標を立てていません。
具体的な目標を持っていたならば、目標に向かって何をするべきか行動計画を立てているはずなので、「何をしていいか分からない」ことはないはずですね。
あなたは何となく、インスピレーションに任せて作りたいものを作っていませんか?
出来上がった作品を見て、感覚で値段を決めていませんか?
大手の企業さんは、物を売るための部署があって、毎日の会議の末に、売るための仕組みに何千万というお金をかけて売り出しています。
これが、ただ感覚で何となく作っても売れない、という理由です。
大手の企業さんでさえ、人とお金と時間をかけて売ることに向き合います。
目標すら持たないハンドメイド作家であるあなたが、売ることに向き合わずに「売れない」のは当たり前。
仮に運よく売れたとしても「なぜこの作品は売れたのか」という理由が不明確なので、売れることに対しての再現性がありません。
再現性がないと、同じように手順を繰り返したところで前回売れた作品が再度売れる保証はどこにもありません。
売れるために、まず具体的な目標を立ててみましょう。
そして、立てた目標を達成していくために必要な行動について詳細に計画に落とし込みましょう。
それが出来たら「何をしていいか分からない」という状態から抜け出して、「あれもやってみたい、これも試してみたい!やることがいっぱい」と、ハンドメイドで忙しい日々を過ごすようになるはずです
②コスト(金銭)管理
ハンドメイドで作品を作るためには、まず材料が必要になります。
アクセサリーだったらパーツやチャーム、金具。そしてそれらを繋ぐために道具も必要になります。
布物作品であれば、布、糸、はさみ。場合によってはミシンやアイロンも必要ですね。
ハンドメイドは販売をするまでに、まずお金がかかります。
あなたの作品の販売価格は、かかった分のお金をしっかり取り戻せるように設定していますか?
ここの設定が甘いと、作品を作れば作るほど、売れば売るほどに赤字になってしまいます。
作れば作るほど、お金が出ていく。
これでは、いずれハンドメイドを続けられなくなりますね。
ハンドメイドでしっかりと売上げを上げていきたいのであれば、コスト(金銭)管理からは逃れられません。
材料費の他にも、交通費、光熱費、通信費。ネット販売をする方であれば梱包費、送料なども考えながら価格を考える必要があります。
コスト管理については、こちらのblogも参考にしてみてください。
>>ハンドメイド作家に向いてない?初心者がやりがちな5つの失敗~売れないとあきらめる前に~
③時間管理
あなたはハンドメイドにどれくらいの時間をかけているか、自分で把握していますか?
作品を製作するのはもちろんのこと、作品をPRするための写真撮りや動画撮影。ネットショップに出店されている方であれば、紹介文の打ち込み作業や在庫管理。購入された時には梱包作業、発送までのお客様とのやり取りといった作業も、ハンドメイドに消費する時間になります。
どの作業に、どれくらいの時間を費やして作業を行っているのかを管理、把握していくことは、ハンドメイドの売上げを上げていくうえで重要です。
例えば、ネットショップにupする作業が苦手で、多大な時間を消費してしまうなら業者に外注するという方法もあります。
その分コストはかかりますが、作品の売上げが立つ見込みがあれば、苦手な部分を代行してもらって、自分は作品作りやその他の販促に時間を有効に使えます。
これも時間管理の1つの方法ですね。
同じように手描きのお手紙に時間がかかるなら、デザイン性のあるメッセージカードを印刷しておいて発送の際に同封したり、メールのやり取りに時間がかかるならば、あらかじめ挨拶文などの雛型を定型文で打ち込んでおき、お客様とのやり取りの際に定形文をペーストするなど、作業でかかる時間を短縮できる方法はあります。
時間は誰にでも平等であり、不可逆性で、有限です。
時間管理を行い作業の効率化を図っていくことで、製作個数を増やしたり販促に時間をかけることができれば、ハンドメイドの売上げを上げていくことも可能になりますね。
④資材管理、作品管理
これはパンドラで実際にあったお話です。
以前、とある遠方の作家さんよりメールが届きました。
「今パンドラに預けてある作品がメル〇リで売れたので、作品を送り返してください」
たまたま、パンドラにある作品が購入されておらず、在庫があったので対応出来たのですが、もしパンドラに置いていた作品が、メル〇リで購入されるより先に購入されていたら、その作家さんはどうされたのでしょうか。
また別の案件で、いったん納品をされてパンドラでお預かりをした作品を、友人に渡したいので店休日である水曜日にお店を開けてほしい、という作家さんもいらっしゃいました。
店休日に普段出来ない予定を入れるため、理由があってパンドラに来られない日もあります。
私はお店に住んでいる訳ではないので、店休の日にまで来店の対応を要求されるのは正直困ります。
また、先ほどのネットショップの事例と同様に、先に購入されていたり、お取り置きの希望を頂いていた場合は、この作家さんはどう対応したのでしょうか。
パンドラでは、作家さんが個人でネットショップに出店されたり、個人的に売買を行うことは禁止にはしていません。
作家さんの前向きな行動は、応援したいと思ってもいます。
しかし、パンドラが介入しない個人のネットショップの作品の管理や、友人などにお渡しする作品の在庫管理は、作家さんがご自分で責任を持つべき部分です。
作品管理がしっかり出来ていたら、わざわざ送料をかけて作品を作家さんのご自宅に作品を送ることもなければ、お休みの日にお店を開けてまで作品をお渡ししないといけないこともありませんよね。
在庫管理、資材管理が出来ていなくて、誰かに迷惑をかけてはいませんか?
ネットショップやフリマアプリのやり取りでも、お客様に「この作家さん非常識だな」「迷惑な作家さんだな」という印象を持たれてしまった場合、リピートとしての購入が望めないばかりか、レビューなどで広く影響を及ぼしてしまいますよ。
⑤顧客管理
顧客管理とは、お客様の管理のことです。
ネットショップを開設されている作家さんは、作品を購入頂いた際には管理画面からお客様の管理ができるようになっていますね。
最近、SNS販売でもハンドメイド販売を行っているケースが増えていますが、顧客管理は出来ていますか?
顧客管理を行うことで、これまでに作品を購入頂いたお客様を対象として、新作の案内やクーポンの発行といった販促を行うことが出来ます。
これにより、1度だけの購入者さんがリピーターさんになってくれたり、お客様が他のお客様を紹介でつないでくださるといった嬉しいケースも起こりえます。
1度お取引をしてくださったお客様は、あなたの作品に興味を持ってくださった方です。
そして、全くの新規のお客様よりも、リピーターのお客様の方が、あなたの作品の良さは伝わりやすいのです。
1度お取引をさせて頂いたお客様の情報管理を行って、次に活かす工夫をしていきましょう。
⑥販促管理
販促管理とは、販売促進管理のことです。
作品を購入してもらうために、行う活動全体をさします。
広告を出したりイベントに出店したり、委託販売を利用したり、SNSで作品を紹介するのも全て販促にあたります。
クーポン券の発行や割引セールといったものも、作品を購入して頂く目的で行っていますので、販促といえます。
戦略的に行うととても大きな効果を発揮するのが、この販促。
今は、ネット環境さえ整っていれば、スマホからあらゆる情報を探すことも出来ます。
ネットでつながった仲間へ情報を拡散していくことも、決して難しいことではありません。
しかも、SNSを活用することで無料で販促管理を行うことも出来ますよね。
あなたの作品の特性を踏まえ、ぜひ販促に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ハンドメイドコミュニティの最新の売上げUPの記事は、Instagramを利用してハンドメイド販売に活かす方法についてまとめています。
こちらはハンドメイドコミュニティ会員様のみが閲覧頂けます。
ご興味のある方はハンドメイドコミュニティもチェックされてみてはいかがでしょうか。
ハンドメイドコミニュティ moirai(モイライ)はこちら
⑦健康管理
ハンドメイド作家さんは、無理をしがちです。
あなたは、オーダーが沢山入り過ぎて寝る間を惜しんで製作したために、体調を崩してしまった!なんて経験はありませんか。
ここまで作品や時間の管理やお客様の管理について触れてきましたが、あなた自身の体調管理もないがしろにはしないでください。
ハンドメイドは、副業として始める方も多くいらっしゃいます。
本業の傍ら、家事や育児、あるいは介護の傍ら。
生活の隙間時間に作品の制作から販売をやりこなすあなたは、本当に凄いと思います。
褒められるべき、認められるべき存在です。
だからこそ、あなたの身体、あなたの心も時には労わってあげて欲しいのです。
休息の時間もしっかりとって、心身共に充実したハンドメイドライフを過ごせた方が、作品制作にも正面から向き合えますし、お客様とも落ち着いて対応が出来ます。
健康管理にも気を配って、楽しいハンドメイドライフを過ごしましょう。
パンドラが伝える管理を実行する3つのコツ
①具体的な数字を意識する
目標管理にしても、コスト管理にしても、時間管理にしても同じことが言えますが、具体的な数字を意識して管理することはとても重要です。
例:
1か月で総合30000円の売上げを出す。
そのためには、3000円のブレスレットを10個、売らなければならない。
「目標!30000円売りあげるために、3000円のブレスレットを一週間で2本~3本。月トータルで10個売る!」
月の前半は1週間で1本~2本。
月の後半の給料日直後は2本~3本の購入を狙う。
そのために、15日までに5本は新作を作って、20日からSNSを中心に告知を開始する。
勝負ところは26日以降の、給料日あと。すぐに購入を決めてくれそうな人には、追加でもう一本進めてみよう。
これはあくまでも一例ですが、このように目標を具体的に定めることで「何日までに何をいくつ準備しよう」「何日頃に告知で発信しよう」という行動の計画も決まってきます。
目標を立てて行動計画を実行に移したら、実際にお客様からいくつ購入頂けたのか、評価を行います。
評価をして、計画通りに順調であればそれを継続すればいいのです。
計画通りにいかなかったのであればどの点が計画通りに進まなかったのか、修正点はどこかを考えてもう一度トライしてみましょう。
売れるハンドメイド作家になるためには、この作業の地道な繰り返ししかありません。
ハンドメイドの売上げUPについてはハンドメイドコミュニティの方からより詳しく記事をupしています。
ハンドメイド販売で売り上げを上げていきたい作家さんは、こちらも参考にして頂けたら嬉しいです。
ハンドメイドコミニュティ moirai(モイライ)はこちら
②時には他の作家さんの力を頼る
ハンドメイド作家さんは皆さん基本的に作るのが好きなので、自分の作品に関わることは全て自分でやってしまいがちです。
けれど、自分の作品の専門性を高めて、苦手な部分は他の方の力を頼る、という方法も検討されてみてはいかがでしょうか。
例:
アクセサリー作家さんが、メッセージカードやショップカードのデザインを紙もの作家さんに依頼する。
編み物作家さんが、作品に付ける飾りチャームの制作をアクセサリー作家さんに依頼する。
パンドラは沢山のジャンルの作家さんが集まるお店です。
そして近隣、遠方関係なく作家さん同士がコミュニケーションを取ることが出来るお店でもあります。
沢山の仲間がいるお店なので、自分の専門のジャンル以外のことは、自分がお客様として他の作家さんへお仕事を依頼するという形で頼ってみてはいかがでしょうか。
これを行うことで、結果として自分の作品作りにかける時間を、より多く調整できるようになりますね。
実はお仕事依頼を通じてお互いを知ることで、その後継続してお互いの作品を購入してくれるお客様にもなり得ます。
また、お互いのお知り合いの方を紹介することで、さらにお客様の幅が拡がることにもつながっていきますね。
③睡眠、食、身体のメンテナンスはしっかり調整する
一流の経営者程、睡眠と食はしっかり確保し、心身のメンテナンスも怠らないと言われています。
私は色んな経営者の方のお話を伺う機会も多いのですが、どんなに忙しくしていても、どんなにお仕事が立て込んでいても、睡眠はしっかり確保しているという社長さんはとても多いです。
そして、仕事以外の趣味の時間や、身体のメンテナンスにも時間を配分して気を配っています。
私は自分自身が仕事一色になりがちなので、これについてはあまり自分も出来ていません。
しかし、疲れがピークの時や精神的、身体的にキツイ時には無理に仕事を入れずに休息にペース配分をシフトするようにしています。
時に無理をしがちなハンドメイド作家さんですが、身体や気力が続かなくなってしまっては元も子もありません。
ハンドメイドを楽しい気持ちのまま継続していくために、休む時は休む、食べる時には食べる。
(私は食べることは大好きなので、好きなものを我慢せずに目いっぱい食べています!)
ハンドメイドのある生活にメリハリをつけていきましょう。
心身の休息とメンテナンスは忘れずに。
まとめ
今回は、ハンドメイドの作品の売上げをupさせていくために、基本的な管理についてまとめてみました。
ハンドメイドの売上げは「これをやったから確実に売り上げが上がる!」というものではありません。
やったから売れるわけではないけれど、やらないと、まず売上げとして結果は出ません。
私の知っている限り、売れっ子のハンドメイド作家さんはナチュラルにここであげた管理を徹底しています。
自然な流れで管理をする習慣が身についているからこそ、ハンドメイドの作品も売り上げとして結果がついてきている。
それだけのことです。
ハンドメイドで売上げを上げて結果を出したい作家さんは、基本的な7つの管理を、今日からでも実践されて見てはいかがでしょうか。