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ハンドメイド作家様のためのマーケティング戦術~ディスプレイで大事なこと~

目次

ディスプレイで大事なこと忘れてない?

ハンドメイド作家さんのお悩みポイント、ディスプレイが上手く出来ない!

ハンドメイド作家様の多くから頂くお悩み相談の1つ。ディスプレイが上手く出来ない!!

今日は、そのディスプレイについてフォーカスしていきたいと思います。

イベント販売や委託販売などで、作品を限られた空間の中でどのように魅せるか。それが、ディスプレイの技術にかかっています。

作品を並べる空間が限られているために、ディスプレイのスキルを磨くと様々な工夫を楽しむことが出来ます。

なぜ、ディスプレイにこだわる必要があるの?

これは、かじぃ。さん自身がまだハンドメイド作家駆け出しだったころに、某カフェで委託販売をさせて頂いていた頃のお話です。

当時のかじぃ。さんは「取り敢えず、作品だけ作れたらいいや!ディスプレイに予算かけるの勿体ないし」「ディスプレイに予算かけるくらいなら、資材調達する方がいい」という考えを持っていました。

作品を完成させて、レンタルボックスの申し込みをして、いざ販売開始!となった時に、愕然としました。

ただ作品を置いて並べれば、それでいいと思っていたかじぃ。さんでしたが、自分の予約したBOXの回りはとても綺麗に飾られていたのです。

一方、自分のBOXは何てみすぼらしい様相…。

当時かじぃ。さんが利用していたレンタルボックスはカフェで、お客様の流れもまずまずある人気のお店だったのですが、みすぼらしいBOXは見向きもされず、その月の売上げは1000円いくか行かないか。

まず回りのBOXと自分のBOXの見た目の差、見栄えの差に、衝撃を受けた出来事でした。

 

翌月は、ただ平面状に並べただけのディスプレイから、ガラリと変化をつけて、見本をパッケージから出したり、使用している感じを知って頂くために、作品をぬいぐるみに装着して飾ってみました。たったこれだけで、翌月の売上げは前の月の売上げを10倍超える金額に…!!

それまでディスプレイの必要性を感じていなかったのですが、見た目、空間の印象で作品の見栄えがかなり変わる!そして、作品を手に取ってくださるお客様の購買意欲にも影響を与えると、その時に初めて思い知ったのです。

ディスプレイの目的を改めて考えよう

皆さんはディスプレイを行う目的について考えたことはありますか?

ディスプレイって、何のためにやるんでしょう。

 

作品をよく見せるため?

お客様の目を引いて、足を止めてもらうため?

 

作家さんの最終的な目的によって、若干変わって来る部分ではありますが、作品を欲しい人に買ってもらうためではないでしょうか。

作品を買ってもらうために、作品を目立たせるように飾ったり、POPでお客様に伝えたり、視覚から入る情報を提供していく。これがディスプレイの目的であると考えます。

ディスプレイの目的がズレてしまうと…?

作品を欲しい人に買ってもらうために行うディスプレイは、作品販売においての「手段」になるのですが、この手段が目的に変わっているケースが時々見られます。

【例1】子ども用の作品が一番上段のBOXに飾られている

2~3歳くらいの小さなお子様に向けた作風の作品が、大人の手に取りやすい高さに飾られていることがあります。

おばあちゃんが見付けて、自発的に「孫に買っていこう」というケースもありますが、お子様の作品が購入される時は、大抵の場合、お子様が「欲しい!買って!」とおねだりをするところから掛け引きがスタートします。

そのため、まずはお子様に「欲しい」と思ってもらわないと話が進みません。

ということは、作品はお子様の目につく場所に並べる必要がありますね。

【例2】年配者向けの作品が、最上段、または下の段に飾られている

年配の方は、しゃがむ、立ち上がる、腕を上げる、などの動作を行う際に身体の各部位に痛みを生じてしまう場合があります。

パンドラでも良く耳にするのが「あそこの物が気になるけど、私五十肩で腕が上がらないのよ。あなた取ってくださる?」という声。

人に助けを求めることが出来る方であれば、このように人の力を借りることも出来るのですが、性格的にそうではない場合や頼める人が見当たらない場合などは、気になる作品があったとしても我慢をされてしまうことがあります。

また、長時間の中腰の姿勢が辛いため、時間をかけて下段の高さに腰をかがめて作品を見るといったことが難しい方も沢山いらっしゃいます。

椅子が空いていればご案内するのですが、ワークショップを開催している時などは椅子に腰かけるのを遠慮されてしまう方もいらっしゃるでしょう。

 

パンドラが定期的に配信しているInstagramライブ配信などを活用し、お客様にとって、手が届きやすい位置かどうかのチェックをしてみてもいいですね。

【例3】世界観にこだわり過ぎる

作品を飾るディスプレイの世界観を大切にすることはとても素晴らしいのですが、世界観にこだわり過ぎるあまり、時々お客様にとって不親切なディスプレイになっているケースが見られます。

実際にあったケースで、細いガラスの瓶にブレスレットを掛けて飾っていた作家様がいらっしゃいました。

作品はとても綺麗でしたし、お客様からも「キレイ」「可愛い」と好評だったのですが、作品をガラスの瓶から外して試着されることはなく、購入にも繋がりませんでした。

 

後日、お客様より頂いた声をご紹介します。

「このブレスレットはとても可愛いんだけど、ガラスから取るときに瓶を倒して壊しちゃいそうだから…触れないわよ」

作品の世界観を演出するのにこだわるあまり、お客様の取りやすさ、見やすさなどが置いてけぼりになってしまったケースです。

 

ディスプレイで世界観を作ることが「目的」になってしまい、お客様に伝える、魅せる、知らせるための「手段」として機能していません。

のみならず「ガラスから取るときに瓶を倒して壊してしまいそう」と、気を使わせてしまっています。

世界観にこだわり過ぎるあまり、購入に繋がらないのは残念ですね。

(※キレイ、可愛いという評価から、作品や空間美はお客様に伝わっていましたが…)

【例4】空間に作品を詰め込み過ぎる

レンタルボックスでは、作品を飾る空間(スペース)が限られています。

そのため、ぎゅうぎゅうに作品を詰め込み過ぎると雑多な印象をお客様に与え、ごちゃごちゃして取りにくい、見づらいといった印象を持たれてしまいます。

作品を沢山飾りたい気持ちはとても良く分かります。少しでもお客様に作品を見てもらいたい、購入してもらいたい気持ちも分かります。

しかし、ごちゃごちゃして見にくいBOX、今にも雪崩を起こしそうな作品の中から、お客様が探さなければならない負担などを一歩踏み込んで考えてみましょう。

自分だったら、どうでしょう。作品を探している途中で雪崩が起こりそうなBOXに手を差し入れて、その中から作品を探し出そうとしますか?

作品にとって、お客様にとって一番適切な作品の量、飾り方になっているかどうか。

時には、飾る作品の数を少なくしたり、BOXのサイズupを検討して、お客様にとっての見やすさ、取りやすさになっているか検証してみましょう。

【例5】使用用途が不明確

作品についての説明書きなどが一切なく、お客様が「これは一体何に使うのかしら??」と首を傾げながら、作品を手に取って、そっと棚に戻す方もいらっしゃいます。

作品について興味を持ってくださっているのですが、肝心の使用用途がお客様に伝わらず、購入を見送る作品たちも多いのが現実です。

 

お客様は、可愛いから、価格が安いから作品を購入されるのではありません。

使う目的がそこにあるから、物を購入されるのです。

 

ですので、使用用途が全く分からない作品は、購入にはほとんど繋がりません。

 

せっかく興味を持って手に取ってくださってるのに、非常に残念なケースですね。

 

オリジナリティ溢れるハンドメイド作品は、実はこの罠に陥りがちです。作家さんのアイデアや思いは、意図して伝えようとしなければ伝わりません。

上手なディスプレイのコツ①

紹介企画

 

 

まずはこれまでの例を参考に、改善してみましょう。

【ソフト面】

・お客様の年齢、身体的特徴を考慮しているか

・お客様が取りにくい飾り方になっていないか

・お客様に作品の使用目的が伝わるか

・作品を購入したことでどんな利得、利点がお客様にもたらされるかを、イメージさせられているか

・お客様が気兼ねなく手に取れる工夫はあるか

・お客様に気を使わせていないか

【ハード面】

・ディスプレイの道具に割れ物を使用していないか

・作品の大きさはBOXの大きさに合っているか

・納品数は適切か

・作品が雪崩を起こさないか

・POP、価格などの見やすさは適切か

・世界観とディスプレイした空間の世界観はマッチしているか

上手なディプレイのコツ②

高さを出す

高さを出して立体的に作品を魅せられる工夫をあれこれ探しましょう。

アクセサリーであれば、高さごとに異なる作品を並べることで限られた空間を有効に使って作品数をより多く飾ることも可能になります。

奥行を活かす

BOXの奥行きを活かして作品をトレイなどに纏めて入れることで、平置きで並べるよりは作品数を多く置くことが出来ます。

上から下げる

突っ張り棒などが使えるBOXを利用されている作家さんは、突っ張り棒などで作品を下げて飾る方法もあります。

作品そのものを突っ張り棒に通してしまうとお客様が非常に取りにくいため、お客様が取りやすいようフックやピンチを利用するなどの工夫が必要です。

アクセントを添える

作品だけではなく、造花や貝がらなど非売品の小道具を用いて世界観を作る、空間に花を持たせる、色どりを付けるなど、お客様が視覚的に楽しめる工夫。BOXを見ていて飽きない工夫もあるといいですね。

見本を置く

使用用途がイメージしにくい作品は使用している写真をPOPに使う、非売品の見本を置いて、肌触りや質感などを実際に触れて確かめてもらうなど、お客様に意識いして見せる、触らせる工夫が必要になります。

文字だけの説明だと分かりにくいので、パッと目に入るものがベスト。

包装も作品の一部

作品を包む包装や、アクセサリー台紙も作品を魅せるための道具です。そこも気を抜かないようにしましょう。

アクセサリー台紙の色、作品が綺麗に見える色を選んでますか?

包装に使用している袋類、経年劣化していませんか??

お客様には分かりやすく

価格が分かりにくい場所に表示してあったり、サイズの記載が無かったり、素材の表記が無かったり、使用上の注意点が無かったり。

お客様にとって分かりやすい表示になっていますか??

 

インプットとアウトプット

実際にディスプレイを行っている現場に出向いて調査することが、オススメです。

コンビニはどんな飾り方?ホームセンターは?スーパーは?雑貨屋さんは?お洋服屋さんは?本屋さんは?電気屋さんは?おもちゃ屋さんは??各業種によって、見せ方、並べ方の法則があるので、ぜひ法則を探してみてください。

価格帯や文字の書き方、空間の魅せ方、作り方。

各年齢の方が使いやすい配置で、並べられていますし、買って欲しい作品をどこに配置するかなども計算されて配置されているのが見て取れます。

ハンドメイドイベントに足を運ぶと、実践的に飾り方を学べますね。

pinterestというアプリを使用して、ディスプレイのピンをアプリ内にピンしてコレクションしておくと、あとで見直すことも出来るのでとてもオススメです。

 

「いいな」と思ったディスプレイの方法は、実際に実践してみてどんどんアウトプットしていきましょう。