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ハンドメイド作家様のためのマーケティング戦術~特別編:withコロナと、afterコロナ~

目次

特別編:withコロナと、afterコロナ

※今回の「ハンドメイド作家様のためのマーケティング戦術」は、特別編でお送り致します。

世界で猛威を奮っている、新型コロナウイルス感染症

2020年1月より、世界で問題になっている感染症があります。

既に皆さんご存知の、新型コロナウイルス感染症です。

この新型コロナウイルスが、世界で大流行しています。新しく変化を遂げたウイルス感染症のため、治療も対症療法しか行えず手探りのまま。

日本でも、日に日に感染者数の拡大と死亡者数の増加が増えている状況にありますね。

今回は、この新型コロナウイルスがハンドメイドに与えている影響と、今後予測されることについてまとめて行きたいと思います。

 

新型コロナウイルス感染症がもたらした影響

新型コロナウイルス感染症そのものについては、他で情報を掴むことが出来ますので、こちらではまとめません。

ここでは、新型コロナ感染症がハンドメイド界に与えた影響について掘り下げていきます。

 

新型コロナ感染症が流行し始め、まずパンドラの中で動きが変化したのは布マスクの購入率でした。

1月の下旬頃のことです。それまで動き自体が緩慢だったハンドメイドの布マスクを購入される方が増えて来ました。

通常であれば、花粉症の方や、新年度が始まった時に学校の給食で使用する目的のために購入されていた布マスク。

あという間に、パンドラにお預かりしていたマスクの在庫は尽きてしまいました。

では、なぜマスクの消費量が爆発的に上がったのでしょうか?

マスク購入の初動は

日本で新型コロナウイルスが流行り始める前より、ハンドメイドの布マスクの購入は既に動き始めていました。

その頃購入されていた方の声は「私花粉症で困ってるんだけど、今マスクがなかなか売ってなくてね」といったものでした。

始めは、毎年花粉症のマスクを購入されていた方や、自分用にとマスクをちらほら購入頂くケースが主でした。

 

しかし、メディア上で新型コロナウイルスの罹患率が報道される度。

国民的コメディアンを新型コロナ感染症で失ったと報道があった時。

 

この辺りを皮切りに、布マスクの購入率が爆発的に増え始めました。

何が人を突き動かしたか

1つは、まだ何者か解明が進んでいないウイルスに対する恐怖心。

感染すると、急激な症状の悪化を辿り、死亡する例もある。

特に、高齢者や基礎疾患がべ―スにある方の死亡率が高く数字に出ている。

世界規模で感染が拡大して、ロックダウンした都市がある。

死者の数が数十万人、それ以上に上っている。

 

連日、このような情報が飛び込んで来てまず人々が持った感情は「恐怖心」「得体の知れないものに対する不安感」そして「いざ無くなった時に困らないように買いだめをしておこう」という心理。

間違った情報がインターネット上に飛び交い、マスクはもちろんのこと、デマだと分かっていてもなお、日常生活用品まで軒並みお店から姿を消しましたね。それも、一部の地域だけではなく全国でこのような現象が起こっていました。

このことから分かるのは、人が物を購入するのには感情が大きく影響しているということです。

デマと言われていても、大勢の人が並んで買っているのを見たら、何となく同じように並んで何か買った方がいいような気がして、自分もレジに並んでしまう。

これも、群集心理の一種「同調圧力」による、流された行動になります。

今回の買いだめ行動は、これらが相互に影響し合った結果として起こり、結果として「今マスクがなかなか売っていない」状況を作り出していたのです。

クチコミの効果

友達紹介

パンドラで布マスクを購入された方は、その先にいる「マスクが変えなくて困っていた」お知り合いに、パンドラに沢山マスクがあったと伝えています。

そして、パンドラにマスクがあったと教えてもらった方は実際に足を運び、マスクを購入されています。

購入後は、同じように「パンドラにマスクがあったよ」と次の方にメッセージを伝えてくださっています。

このように2月、3月は人伝いに布マスクを購入出来るという話が地域に拡がっていきました。

連日、マスク購入の人が絶えず来店をされるようになったのは、この頃です。

この頃から、来店客が途切れないためパンドラのSNS系統からの発信が難しくなってきました。

ECでの販売が禁止になった

EC(イーコマース※ネットショップの流通経路のこと)で、マスクの出品が禁止され始めたのもこの頃です。

事前にマスクを大量に購入した方が、それらを適正価格より高額な値段を付けて利益を得ようとする転売目的の出品が問題視され、ハンドメイド作品のマスクも出品禁止の対象となりました。

これまでネット販売でハンドメイドマスクを出品されていた作家さんも販売経路を絶たれてしまい、今回委託販売という形で利用をしている方もいます。

購入側も、普段利用していたネットショップアプリからの購入が出来なくなって、ますます「マスクが売ってない!」「マスクが買えない!」という状況に拍車がかかりました。

そして、4/7に発令された緊急事態宣言。

日々増え続ける、新たに感染した人の数。

人々の心は、ますます「恐怖心」「不安」に駆り立てられました。

4月の人の動き、マスクの買われ方

 

2月、3月と同様に、マスク届いたと知るがいなや、我先に!と探し始める人が多くなってきました。

そして、目立ったのは「まとめ買い」の方が増えて来たことです。

自分が使用する分だけではなく、ご家族、近隣、遠方を問わずご親戚分をまとめて購入されたり、中にはお仕事の場で使うために職員さんのマスクを人数分購入をされるケースも増えました。

何故、マスク需要が高まったか?

ハンドメイドディスプレイ

・世間的にマスクが不足しており、既製品のマスクは手に入りにくい。

・国や職場、学校などでも感染予防対策でマスク着用がほぼ義務化されて来ている。

マスクが生活に必要なものになり、なおかつ手に入りにくいので価値が高まった。

マスクが無くても生活に支障がない。マスクを着用しなくてもコロナ感染拡大の見込みがない。マスクが簡単に手に入るものだったとしたら?ハンドメイドマスクはここまで爆発的に購買されてはいなかったでしょう。

withコロナ

さて、ここからが本題です。

今まさに、コロナの感染に怯えつつ、コロナと共存をしている世界。「withコロナ」の中を私たちは生活しています。

コロナの感染が世界規模で拡大されるまでは、おそらく想像もつかない世界だったのではないでしょうか。

リモートワークやテレワークが推奨され、これまでオンラインを積極的に活用していなかった業種がオンラインワークを取り入れています。一般家庭においてもオンライン飲みをzoomを繋いで開催したり、学習面でもオンライン授業などが取り入れられ始めました。

週末のイベントやお祭り、エンターテインメントに関する企画。映画や舞台観劇なども、クラスターになる危険性から中止、休業措置が敷かれていますね。

パンドラでもよくこんな声が聞かれます。

 

「コロナが落ち着いてくれれば…」

 

コロナが終息してくれれば、元の生活に戻れる。

 

…本当に、そう思いますか?

状況が変わり続けるwithコロナの中で、1つ言えるのは、「コロナが終息しても、場合によっては元の生活には戻れません」これは、未来予知ではなく、確実に迎える未来として断言します。

コロナが終息しても、世界は元には戻りません。

afterコロナ

経済恐慌の歴史を振り返ると、恐慌が起こるのは「事後」。3.11の東日本大震災の時も、9.11のアメリカ貿易センタービル爆破テロの時も。リーマンショックの時も、バブル崩壊の時もそうです。ことが起こった後で、本当の経済危機がやってきています。

つまり、withコロナではなく、afterコロナの方で、今以上の経済危機はやってくると推測されます。

それが、ハンドメイドにどう影響を与えるか。

今以上に、「物を見て買う人」は少なくなります。

みな自分の生命や生活を死守するのに必死で「今の生活で必要ないもの」に対するジャッジの目が厳しくなります。

まず自分が何かでお金を支払わなければ、お金も回らない。頭で分かっていつつも、心配だからとお金を貯め込む。そうすることで、経済が回らなくなり、ますます不況に拍車をかけることになります。

必要以上に貯め込むことでお金が動かないので、当然自分の元へもお金が入って来ない。そんな悪循環が起こります。

そして、ハンドメイド界も、必ずそのあおりを受けます。

 

afterコロナで予測されること

ある情報によると、afterコロナの失業率は17.3%と推測されるデータが出ているそうです。リーマンショックの時の失業率が5%だったのに対し、これは驚異的な数字ですね。

しかし、現実として遠隔で対応が出来るようになった仕事に人件費をわざわざ割かないでしょうし、オンライン化が急速に進む中で、確実にAIに仕事を奪われてしまう人はいます。

そして、現在緊急事態宣言の影響を受けて厳しい状況に置かれているのは飲食店やサロン経営、マッサージ店、整体院、スポーツジム経営、ライブハウス運営などの3密を避けられない個人経営のお店さん。

3月下旬にエヌエヌ生命保険が行った「中小企業経営者調査」の結果、緊急事態宣言が6月まで延びたら事業が立ちいかなくなる、といったお店さんの割合が、中小企業のうち、実に60%以上にも上るそうです。

あながち、この17.3%という失業率は近未来の映像として予測されるものと受け取ることが出来ます。

※ソース:http://agora-web.jp/archives/2045741.html

ハンドメイドが確実に受けるであろう影響

お客様の「必要な物かどうか」の判断基準が厳しくなる

前述にも記しましたが、経済全体の冷え込みが厳しくなると、一般的に人は自分が置かれている生活を守るための行動をとります。

そうなると、ハンドメイド作品の購入率はさがることが予想されます。

そもそも人はお買い物をするときに、必要な物か、必要ではない物かの判断をします。そのあとに、大きさ、質感、色など自分の好みに合うか、で購入の照準を絞っていきます。

afterコロナの世界において、ここまで経済の冷え込みが予測としてあがっているということは、物を買う時の入り口の部分。「必要な物か」「必要ではない物か」という判断基準が、今以上にシビアになるということです。

生活において、今必要ない物を購入出来る人の数も相対的に少なくなります。ハンドメイドで売り上げを伸ばしていくためには、「いいものを作る」「かわいいものを作る」という作家さん側の視点から、お客様側の視点「必要な物を買う」をより強く意識して展開していくことが必要になって来ます。

ネットショップでの競争率が高くなる

新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、外出自粛が推奨されている状況。ハンドメイドを出店出来るイベントなどの中止によって、これまでネットショップを活用していなかった作家さんも、ここにきてネットショップへの参入を始めています。

イベントなどの対面販売のハンドメイドの販売経路が断たれてしまっていること。また世間的にもリモートワークなどによりオンライン化が急速に進んできていることが影響しています。

ネットショップのハンドメイド作家さんの人口増大によって、ネットショップの競争率はますます激化していきます。

 

写真を撮るのが抜群に上手い人、作品の紹介文を書くのが上手い人、既にたくさんネットショップの世界には溢れているのです。

幸いにして、自粛モードの状況においてwebを利用する人も増えてはいますが、その人たちが自分のショップのページを見てくれるかというと、そうとは限りません。

作品を出店しても、ネットショップでのスキルが不足しているために見てもらえない、全く反応が得られないことは、本当に良くあることなのです。

 

今後は特にネットショップのインサイトを見て販売の方法を臨機応変に変化させる技術、考え方が必要になって来ます。

そして、今急速にliveコマース(liveの実演販売)での販売形態が力をつけてきています。

これからネットショップを動かしていくには、ハンドメイドのみならず多方面からの知識を活かして、動かしていくことが重要課題となります。

材料、資材の高騰、資材到着の遅延

ハンドメイドを手掛ける際に必要な材料、資材。

これらの大半は、実は海外からの輸入製品になっています。

今回の新型コロナウイルス感染症の世界規模の拡大を受け、ハンドメイドで扱う材料や資材がなかなか輸入されてこない、という事態にも陥りました。

物資が入って来ないので、既に日本市場に出回っていた物の価値は上昇し、それに伴い販売価格が高騰したものもありますね。

 

また、発注をかけていた資材の到着が大幅に遅れるといったケースも出ています。

 

これにより、作家さんの制作のタイムスケジュールの調整が難しくなります。また、オーダーを受けてから資材発注を行っていた場合は、資材の到着が遅れることでオーダーの依頼者様をお待たせしてしまう場合も出てきます。特にギフト対応のオーダー受けの場合は、特定の日付に間に合わさないといけないというプレッシャーもありますね。

この辺りは、afterコロナに関わらず、既に現実に出ている影響でもあります。

個人間でやり取りを行って売買を行う際は、余裕を持ったオーダープランを先方にお伝えすること、そしてコロナの影響を受ける可能性について事前にお客様にお伝えして、未然にトラブルを防ぐ必要も出てきますね。

作品が購入に繋がる決め手の1つを思い出そう

1つ思い出して欲しいのは「購入の決め手になる動機」について。度々こちらのサロンでも話を出していましたが、お客様が作品を購入するときの理由に多く上がるのが「作家さんと知り合い(友人)だから」というものです。

つまり、昨今のお客様は作品ではなく「人を見て」作品を購入している傾向があります。

心当たりはありませんか?

live配信時に「○○さんのマスクが好きです」「○○さんに声をかけて一緒に作品を手掛けることになりました」「○○さんの作品いいですね!」こんなコメントを目にしたことはありませんか?

お取り置き希望を頂くお客様も最近では「○○さんの作品を見たいです」と、作家さんをピンポイントでご指名して、リクエストをくださる方もいます。

人は、コロナのように自分が知らないものを恐れ、それらを排除しようとする一方で、よく知っているものに対しては親近感を抱いて自ら近づこうとします。

ここに、ハンドメイドで経済を循環させる秘密があります。

パンドラがコミュニティにこだわる理由

友達紹介

パンドラは昨年の2月頃よりオンラインサロンを立ち上げました。8月にオープンチャットを稼働させ、作家さんのコミュニティをパンドラのLINEオープンチャットに作ったのです。

コミュニティ内で、知り合いを作り、お互いがお互いの作品を認め合っていくことで、作家さん同士がお互いのファンになる。

同じハンドメイド作家という立場で、心強い仲間にもなれる。

みんながお互いのことを牽制し合ってお互いをライバルとしてしか見ていなかったら、コミュニティ内の経済は回りませんよね。

だけれど、お互いの活動やジャンルを認め合って学び合うことで、小さなコミュニティの中で、額は小規模かもしれないけれども、確実に経済が動いている様子がありますね。

後は、動き出した経済活動の渦を外側に線を伸ばしていくように、拡大させていくこと。それを行うことで、各々動くお金の規模も、動く人の数も大きくなってきます。

パンドラだからこそ、出来ること

ハンドメイドの販売が今後厳しくなるのが予想されてはいますが、実は私はそんなに不安に感じてはいません。

パンドラの特徴の1つは「全国の作家さんと繋ぐコミュニティ」があること。

作家さんの中には既に覚えがある方もいらっしゃると思いますが、このコミュニティの中で作家さん同士がお互いにオーダーを依頼したり、ワークショップに参加したり、双方声をかけてコラボの作品が登場したり。機種の仕様によってチャットに参加が難しい方もlive配信の中で繋がりを持てるなど、パンドラの持つコミュニティを通じて直接作品の購買に繋がったり、活動の幅が大きくなっている方がたくさんいらっしゃいます。

ネットショップでは持つことが難しいコミュニティ。

「パンドラを利用している」という共通項。作家さん方も親近感や共通の話題があるので、すぐに打ち解けることが出来ます。

これからの時代を回していくためには、必須と言われているくらい、コミュニティは重要な位置づけになります。

現在、コロナの影響で営業を自粛している飲食店さんは、実はSNSのコミュニティの中で情報の拡散を行い、コミュニティの参加者が注文をして売上げに貢献しているところも少なくないのです。(参考例:facebookグループ茅ケ崎フードアクションなど)

 

さすがに新型コロナ感染症が世界規模で流行することは予想はしていませんでしたが、withコロナの中でも、afterコロナにおいても、立ち上げてきたパンドラ独自のコミュニティや繋がりが、それぞれの作家さんたちの作品の購入において、役に立てるツールであることは確信しています。

同じハンドメイドの作品でも、全く知らない人から買う作品よりも、コミュニティで親しくなった仲間から買う作品の価値や温かさに気づいてもらえたら嬉しいなぁと、思っています。